明日の記憶

明日の記憶 (光文社文庫)

明日の記憶 (光文社文庫)

読み終わった。
この作品は主人公が若年性アルツハイマーにかかってしまう話なのだけど、こういうような作品を読んだり観たりするといつも思うことがある。それはありきたりだけど、もし自分だったら?ということ。
もし自分の恋人や大切な人が、例えば重い病気になったり一生の障害を背負ったりしたら?きっと、「そんなこと」と思うだろう。そんなことで、あなたから私が離れる理由にはならないと。もしそれが恋人だったら、それで例えば結婚を諦めるとかそういう思いにはならないんだろうな。それよりも、生きていてくれてありがとうと。
でももし自分がかかったら?私は多分、恋人なり大切な人と離れようとするだろう。迷惑がかかるのは目に見えているし、そもそも相手が好きになってくれたのはこんな自分ではないと思って。
そういう風に考えるのは矛盾している。だって私の恋人や大切な人も、私が病気になったって変わらず一緒にいたいと思ってくれているかもしれないのだから。けど、結構私のように考える人は多いのではないかと思う。相手ならいいんだけど、自分だったら嫌だと。
最後の方はもう切なくてどうしようもなかった。アルツハイマー、今はアリセプトぐらいしか治療薬がないし、それだって対処療法でしかないのだから早く新薬が出ることを願う。