初めて検査薬というものを使った。原理は国試勉強でやったし、話には聞いていたけどあんな数秒で結果が出るなんて、科学とそして人間の体はすごいと思った。
特に不安に駆られて使ったわけでもないし、陰性だろうと思いながら検査したので、実際に陰性で驚きもしなかったし、特に安心したとかそういう感情も湧かなかった。不謹慎かもしれないけど。私は何も考えていなかったのだ。例えばもし陽性だったとして、実際どうするのか。仕事のこととかお金のこととか、卒業したばかりなのにとか、結婚してないのにとか、そういう現実的なことは何も考えていなかった。今の自分の体の症状が、妊娠しているとしたらまあ辻褄は合うなってぼんやり思った。逆に妊娠していないと分かって、じゃあやっぱりストレスとか負の原因があることがほぼ確定となった。
もし、赤いラインが出たら、私は多分この子を産めない、いや、産まないという選択を多分するだろうけど、最後の最後まで愛してあげよう。判定を待つほんの数十秒の間に、漠然とそう思った。
今回のことで学習したのは、まず何と言ってもそういう可能性をつくらないこと。理論的には完全なる避妊なんてものは存在しないのかもしれないけど気をつけるところは気をつけること。あとは、そういうデリケートな話題は軽々しく口に出さないこと。自分の思っていることを丁寧に相手に伝えようと努力すること。妊娠出産育児それに関することは、どうせ女性だけの問題だなんて思わないこと。結果的に私は今日、この件についてにゃー氏に自分の状態・思っていることをうまく伝えることができなかったし、にゃー氏に勝手に理想を押し付けていたと思う。男とはこうあるべき、みたいなことを。つまり、妊娠したかも?と不安になるのも女で、実際産む(もしくは産まない)のも女で、だから男の人が女性を支えるべきだ、みたいな古めかしい考えを押し付けた。だけど男の人だって、女の人とは違う視点で悩むのだろう。今はとても反省している。
早くそれなりに年を取って、子供が欲しいな。でも今やらなきゃいけないことは仕事だ。当たり前だ。でも「今やらなきゃ行けないことは仕事」って、私はいつまで言っているだろう。